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長谷川慶太郎




大竹愼一




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日本人は中国人・韓国人と根本的にちがう

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  • 黄文雄/呉善花/石平
  • 出版社:李白社/徳間書店
  • ISBN9784198636029
  • 発売日:4月11日
  • 1000円(税込)

<内容>

中・韓・台の密告制度(本文より)

中国共産党の場合は、共産党政権がはじまった49年の翌年に、とくに保守派といいますか、古いタイプの知識人ですね、この人たちを70万人以上殺害したんです。また何百万人かの知識人を強制的に刑務所に収容しました。いわゆる粛清ですね。共産党の思想を人々に強制する以前に、まずエリートを一網打尽にしたわけです。

これでエリートはすっかりいなくなります。残されたのは一般の庶民ばかりです。こうして伝統社会の知を空白状態にし、外からの情報を一切遮断し、あらゆる情報・宣伝手段を動員して、1つの思想を植えつけていったわけです。

どうしてそんなことが可能だったのかというと、毛沢東がカリスマとしてすべての権力を握っていて、思う存分に独裁政治ができたからです。そこで絶大な役割を果たしたのが密告制度です。この制度のために、本当のことを誰もいえなくなりました。密告されると命取りになりますから、家の中ですら発言にはよほど注意しなくてはなりません。息子に密告されて殺された人はたくさんいますしね。

その結果、町から、職場から、家から、あらゆる生活空間から毛沢東の共産党を宣伝する以外の言葉が、ことごとく消えていったんです。 黄中国の密告制度は秦の時代からありましたが、人類史上最大の特務国家を完成したのが明王朝で、「明」とは逆に中国史上最も「暗黒」な時代であった。台湾でも蒋介石が入って来てから作り出されました。ですから、密告制度は共産党に限ったものではなく、中国の文化伝統の1つなんですね。

密告制度は私の小学生時代からありました。密告がすべての国民に義務づけられたんです。対象は中国のスパイですが、それについての情報を知っていて報告しなければ同罪になるんです。そのスパイの行為が死刑に相当するとしたら、報告しなかった人も死刑になります。そういうわけですから、友人や隣近所の誰それの動きはおかしいんじゃないか、ひょっとしたら中国のスパイじゃないのかと、そんなことにピリピリする人が出てくることにもなります。

この密告制度では、スパイの財産は没収され、没収した財産の40パーセントが密告者のものになります。ですから、これを商売にする密告業者が暗躍していました。

呉韓国にも密告制度があります。対象は北朝鮮のスパイです。町の要所要所に、密告を奨励するポスターが貼られていました。密告者にはたしか、1000万ウォン程度の賞金が支払われていたと思います。

スパイの情報といっても、一般人には何がそういう情報なのかはわかりませんし、思想的におかしいかどうかの判断もできません。それで当局は、金日成という名前を口に出す人とか、言葉遣いやアクセントがおかしい人がいれば報告しなさいと、そういう指導をしていました。

そういう人がいても報告しないと罪になりますので、近所で「あの人は変じゃないか」とか、いろいろ噂したりするんです。そういう噂の立った人は大変です。誰も近づこうとはしなくなりますからね。それであるとき、言葉がおかしいと報告された人がいたんですが、その人は日本人だったんです。言葉がおかしいのはそのためで、スパイでもなんでもなかったわけです。

密告制度は李氏朝鮮王朝時代からありました。中国の清王朝時代にもあったということですね。北朝鮮にはもちろんあるわけですから、専制主義国家に特有の制度といっていいんじゃないでしょうか。

(本書は2008年11月に発行された『帰化日本人』を改題・改訂した新版です)

<目次>

新版まえがき―黄文雄

3つのまえがき

第1章 教育

日本とはこれだけ違う我々が受けた教育
台湾の近代教育、中国の反近代教育
中・韓・台の密告制度
国語、国文教育はこうだった
中・韓・台の歴史教育
日本語の禁止、日本文化の制限
日本の戦後教育への苦言

第2章 道徳

道徳教育は復活させるべきか
儒教倫理教育の大きな弊害
道徳の源泉にある宗教性と美意識
美は普遍性をもてるのか
これこそ日・中・台・韓の土俗的宗教だ
日本をはじめ、それぞれの国がかかえる青少年問題

第3章 食事

食は香港・広東にありから台湾にありへ
中華・韓食・和食―風土から生まれた食文化
蓼食う虫も好き好きの郷土料理の自慢話
日本のラーメン文化は「道」の域に達している
稲作民の文化的な性格
和食は目で食べる?私の味わった和食
激辛の腕比べ
長寿国としての和食の世界的人気の真偽
これからの食文化はグローバル化かエスニック化か
朝食か夕食か

第4章 夢

なぜか儒教国家の若者だけがでっかい夢ばかりを育てる
今の日本にはユース・ビー・アンビシャスがない
この道何十年という日本人の夢
天下国家の夢なき日本
求められている精神的な豊かさの夢
自国を批判すれば売国奴になるのか

第5章 マスコミ

日・中・台のマスコミの特徴
活字メディアの台湾と映像メディアの韓国
台湾の政治記事で本当のことは1パーセントしかない
中・韓・台マスコミのいうことはどこまで信じられるか
日本のマスメディアをどう見るか
日本のマスメディアに顕著な自己批判
日本のマスメディアを監督・指導している中国
お笑い番組が氾濫する日本のテレビを批判する
韓国の親日言論・親北言論の現状
金銭をもらって記事を書く中国・韓国のマスコミ

新版あとがき 石平 呉善花

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