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「待ったなし!」日本経済

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待ったなし日本経済

  • ISBN: 4894519119
  • 李白社 (2009/7/21(出版)(発売:フォレスト出版)
  • 国際経済記者 田村秀男(著)







  • ■オバマ政権のドル帝国再興で、日本は働きアリとなる

    世界同時恐慌後、ドルは基軸通貨として通用しないのではないかと懸念されている。

    しかし、基軸通貨は市場原理の支配者となれることをアメリカは十分承知している。
    これまでも輸出入はすべてドル建てとなるために、為替相場を優位に操作してきた。

    強いドルのおかげで、金融工学である
    証券化、デリバティブ、レバレッジという三種の神器を使って、
    サブプライムローンを作り出すことができた。

    そして現在、アメリカはドルを大量に刷って(10年で刷る量を1年で刷ってしまった)、
    不良債権を買いまくっている。
    それでもインフレにならないのが今の不況の構造でもある。
    この負担を各国が負わされているわけであるが、とりわけ日本は、
    このアメリカの不良債権の肩代わりをさせられることになる。

    ■小泉改革で日本はぶっ壊された

    ブッシュ政権当時、小泉がアメリカから投げられた球は、
    実はイラク派遣ではなく不良債権処理の迅速化であった。
    そこで小泉が構造改革として推し進めたのが緊縮財政で、
    長期にわたるゼロパーセント金利だったのである。

    日本は、もともとアメリカによる円安誘導の強制で、
    輸出業が復活しているカラクリが存在している。
    いわゆる円キャリートレードである。また、米国債も買わされ続けているが、
    いずれにしても日本の景気は外需頼みでしかない構造になっている。

    アメリカの言いなりとなり、現在の負の構造を作り上げた元凶は、
    まぎれもなくこの小泉改革であった。

    ■中国のねらいはアジア基軸通貨を掌握すること

    中国は人民元をSDR通貨の仲間入りをさせて、
    アジアの基軸通貨としての元を目指している。
    つまり、人民元を地域間通貨として流通させることである。
    中国が米国債を大量に保有しているのも、人民共産党として、
    政治判断で国債を売り買いできることにある。

    そのねらいは、すべて人民元をSDR通貨にするために戦略である。
    もし中国がSDR通貨として組み込まれたら、
    現在3%にしか満たない円のSDRは簡単に人民元に抜かれるだろう。

    しかも、アメリカは中国のこの要求を拒否することができない。
    中国が米国債をすべて売り飛ばせば、アメリカは破綻するしかない。

    ■ドイツはドルと戦うためにユーロを築いた

    ドイツがユーロを作ったのは、
    基軸通貨ドルが市場原理の支配者の覇権を握っていることを
    帝国時代の教訓から知っているからで、
    強い通貨を武器にして統合するという強烈な国家意思があるからである。

    現にドイツは輸出の割合が48%で、中国の輸出比率と変わらない。
    しかし、その輸出先はほとんどがユーロ圏である。
    つまり、ユーロという地域間通貨でのやりとりのため、
    景気の変動による輸出コストを上乗せできるのである。

    一方、日本はドル建ての貿易がほとんどのため、輸出コストをかけることができない。
    よって、円高による輸出コスト組み入れしか
    単価を上げることができない仕組みになってしまっている。
    こうした構造を避けるために、ドイツはユーロ戦略を推し進める。

    ■日本のデフレ脱却には、強烈な改革しかない

    日本は中国のSDR通貨を阻止しなければならない。
    それには強い円を創出するために、日銀が紙幣を大量に発行し、
    国債を大量に引き受けさせるしかない。
    現在のアメリカが行っている「ばらまき論」である。

    それには、補正15兆円程度ではなく、100兆円規模の対策が必要である。

    中国のSDR入りでアメリカもうかうかできなくなってきている。
    アメリカの尻を拭うのは日本だけという状況を脱却しなければ、日本は死滅する。
    日本経済は、待ったなしなのである。


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