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ウォール街からの警告 トランプ大恐慌

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ウォール街からの警告 トランプ大恐慌
  • 著者:大竹愼一
  • 出版社:李白社/徳間書店
  • ISBN:9784198644109
  • 発売日:2017年5月23日
  • 1500円(税別)

<内容>

この国に富を取り戻すのだとアメリカ第一主義を大きく掲げ、きわめて乱暴な物言いと危うい強硬姿勢を見せるトランプが大統領に就任してはや四ヵ月が過ぎた。

世界はこの人物が疲れ果てたアメリカの救世主として登場してきたのか、あるいは理解不可能なトリックスターであるのか、いまだ見極め切れていない。

浮足立つ世界を尻目にアメリカ経済は、トランプが打ちだす予定の大幅減税、公共事業投資、規制緩和などへの期待感から空前の株高、実質完全雇用の達成などトランプラリーに沸いている。少なくとも内外のメディアからはそう報じられている。

だが、それは単に表面をなぞっているにすぎず、トランプ景気はアメリカ経済を新たな危機に誘導しているのが実相である。 端的に言えば、アメリカはこの秋、株の暴落に晒される。

もとよりわたしは、自分の予測に基づいて一〇〇%のポジションは組まない。メインのシナリオはじめ常時四、五本のサブシナリオを立て、それらがどれほどの確率があるかに応じて、それぞれのポジションを組むのが流儀である。

ここではそのうちの二つの概略を示そう。

一つ目はメインストーリー。いまのアメリカで澎湃として渦巻くインフレ期待が現実化し、コストプッシュ・インフレを引き起こすというものである。これが、本書が上梓されるころから初夏にかけて本格化してくる可能性が大きい。

その最大の兆候は銅やメタルの先物価格が急上昇していることで、すでに製造業の仕入れコスト、さらに売り値に転化されてきている。怖いのはここからで、低失業率かつ労賃も上がっていることから消費者のデマンドも高く、そうしたインフレを起こすローテーションをなんなくクリアしている。これで本格的なインフレの扉は開け放されてしまう。

一方、FRBは小刻みな利上げを繰り返しており、この秋の今年三度目の利上げあたりで、マーケットはコストプッシュ・インフレにシンクロする高金利の到来を強く意識するようになる。こうなれば、量的緩和バブルの主役を務めた株は失速するしかない。高所恐怖症におびえていた株式市場は耐えられなくなり、暴落が始まる。

ここからのマーケットの関心は、コモディティ価格高騰が原油価格におよぶかどうかに絞られてくる。今年の年末にはそんな段階に達しているはずだ。

詳しくは本文を読まなければ、正確な理解はえられない。(「まえがき」より抜粋)

<目次>

まえがき

第1章 トランプラリーとアメリカ経済のゆくえ

1%も99%もみな勝ち馬に乗る
トランプに舐められた安倍首相
没落した中国層の事情
トランプの財政政策自体は正しい
財政政策の"王道"といえるサプライサイド経済学
日本とは違う共和党のインフラ事業に対する姿勢
アメリカでは新幹線は無理
日本のメディアはトランプが嫌いなのか?
オバマケア廃止の受け止めかた
アメリカのIPOの現状と問題点
第二プラザ合意を画策するトランプ政権
進化し続けるシェール・オイルの現場
5月になるとアメリカ株が上がる納得の理由

第2章 回避できないトランプ恐慌

非識字率13%のアメリカでの失業率4%台の意味
利上げで後手後手に回ったFRB
コストプッシュ・インフレから株価暴落へ
イールドカーブがフラットになってきた意味合い
暴落のパターンを踏襲しているS&P500
怖いのは自動車ローンの焦げ付き
幾重にも要素が絡み合って起こるトランプ恐慌
災いを招くドッド・フランク法廃止
最終的に原油価格が急騰すればオイルショック到来となる
トランプの全身に染みついている不動産屋気質
フリードマンが信頼してやまないコンピュータ

第3章 病めるアメリカが産み落とした大統領

ハネムーン期間を無視するリベラル系メディア
日本のメディアが報じなかった重大なターニングポイント
Brexitとトランプの勝利は同根である
労働組合の弱体化と過激派全盛の時代
賃金の上昇と労働生産性の低下に悩むアメリカ
捏造にすぎなかった隠れトランプ
嫌われたヒラリーの尊大さと不正直さ
本音ベースでは自国の現状に辟易としている大多数のアメリカ人
早くも取り沙汰される2018年中間選挙のゆくえ
増益のアマゾン株が予想どおり暴落した
世界が背負う最大のリスクと権力者たちの顔ぶれ

第4章 日本の景気を読む

浜田宏一米エール大名葉教授が推奨するシムズ理論
根本的な治療にはならないヘリコプターマネー
焼け石に水だった黒田日銀の異次元金融緩和
為替要因のみで動く単調な日経平均
永遠に実現しない日経50
日本の景気は円次第で決まる
怖ろしくて永久国債を発行できない日本
日本を資源大国にする小型水力発電の普及
日本の内需は女性次第

第5章 いま世界は選択を迫られている

中国共産党の代理店としてのアリババ
英中接近の中国側の真の狙いとは何か?
労働組合の劣化が招いたポピュリストの台頭
ルペン大統領選挙敗北でも全ヨーロッパに響き渡る軍靴の音
中国の磁力に引きずり込まれたドイツ
中国の眉唾の統計をかたくなに信じたがるドイツ人
実際には機能していないIMFのSDR
減少著しい中国の外貨準備高
嫌でも世界は独裁の季節を迎える
ユーロ解体しかヨーロッパ経済復活の道はない

海洋国家への回帰を目指すイギリス

第6章 観念論者と唯物論者

世界はジュグラーサイクルに沿って恐慌を経験してきた
裁量権を持つ中央銀行があるかぎり、バブルと恐慌は繰り返される
マイノリティの考え方がリスクを最小限に食い止めてくれる
金利を上げてマネーサプライを潤沢にすることで健全な競争会社が生まれる
銀行の信用創造そのものが"悪"である
銀行や中央銀行は金融世界の過渡的な産物にすぎない
マネタリストの観念論を理解できない日本の唯物論者
インドが行った唐突な高額紙幣の廃止を考察する
コモディティの時代に買うべき銘柄ゴールドの実物よりも金鉱株が買い目
スイスでゴールドを買うのには理由がある
観念論者としての通貨論

第7章 翻弄される日本

アメリカが保護貿易主義に転じた理由
日本は自由貿易主義など採っていない
なぜ日本は毎年バター不足になるのか?
国境調整税への対応に追われるトヨタの姿勢
トヨタがインテルの下請けOEMになり下がる日
トランプはアメ車がなぜ日本で売れないかわかっていない
最高のCEOとCFOに恵まれたホンダ
7年前にわかっていた東芝のいまの姿
ソフトバンク孫正義社長をどう評価すればいいのか?
ロボット関連株を長期保有する愚かさ
イギリスは欧州ではないことが理解できない日本企業
金融経済が動いた後に実物経済が動くという大原則
デフレが幸せなのを日本人が思い知らされる日がくる

付録大竹愼一の不況に強い日米推奨銘柄5選

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